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裏SENTENラボ

ゲーム、マンガ、および、ニュース関のtwitterで流した情報をまとめて記事にしています。twitterが面倒な方は、こちらからどうぞ。 桜戯 @sakuragi_007

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東方遊戯戦録 二幕目 「MG橙」

タイトルのために調べたらMGSはサブタイトルないのね。
 霧の湖。
 幻想郷にある常に霧に覆われた巨大な湖。本来なら紅魔館の住人が屋敷に住むおぜうさま、レミリア・スカーレットのために霧に覆われた場所。
 だが、今は常の状況とは違った。
 白い。白いところはいつ戻りだ。ただ、白い原因がいつもと違った。


  ず も も も も も も も


 「YAHOOOOOOOOOOOO!」とかよく叫ぶ、どこかのヒゲ親父が土管から登場するような音を立てながら、湖上にスキマが開いた。
 赤かったり、目があったり、手が蠢いていたりする、その中から一匹の少女がひょっこりと顔を出す。歳は幼い、十歳にも満たないだろう。頭の先から、足の先まで、真っ白な防寒服に身を包み外の様子を伺っている。
 眼下には黒い巨大な戦艦があった。それを確認し少女がどこからともなくトランシーバーを取り出す。
「こちら橙。謎の戦艦の上に参上したでござるよ」
「そりゃ、戦艦の上に出るようにスキマ開いたんだからね」
 当然といわんばかりに、どっしりとした声音の女性が返答する。
「それで橙。そこから戦艦の様子は」
「橙大丈夫!?寒くない!?危なかったらすぐ戻ってくるのよ!?それとそれと、げふ」
「はいはい、落ち着きなさい藍。オペレーターが錯乱してどうするの」
 何かを殴りつけるような音と共に、オペレーター、もとい橙の主人である藍の声が聞こえなくなる。
「それでそっちの様子はどう?」
「ほえ?ああ、そうですね」
 オペレーター二号、もとい紫に問いかけられ辺りの様子を橙が眺めだす。何かが殴られるような音、については気にしないようだ。というより、紫の問い掛けに答えようと考えるうちに、すっぽり橙の頭からは忘れ去られていた。
 鳥頭以下である。
「寒いですよ!」
 元気よく答える。
「そりゃ分かってるわよ。だから防寒服着せていったんだから。そうじゃなくて、誰かいるのかしら?」
「えーとですねー。およ」
 戦艦の遥か上空に何か黒いものを橙が発見した。これまたどこから取り出したのか、双眼鏡を手にその正体を覗き込む。
「空でレティがくるくる廻りながら雪降らせているのが見えます」
「弾幕は届きそう?」
「遠すぎて届きませんよ」
「よし、それじゃ戦艦に潜入して近づきましょうか」
「なんですとおおおおおおおおおおおおおお!?」
 トランシーバーの向こうで藍が絶叫を上げる声がした。どうやら、紫のメガトンパンチから早々に復活したらしい。
 おそるべし、式神を思う心なり。
「そもそも、橙を行かせたのは潜入のためなのよ、知らなかったの?藍」
「いつの間に、そんな決定が!?」
「さらに言えば橙からの了承済みよ?」
「なんですとッ!?いえ、それでも駄目だわ、危険すぎる!駄目よ橙!すぐに戻ってきなさい!」
「え・・・でも」
 橙が戸惑いがちな声で答える。
 吹雪吹きすさむ甲板の上で。
「もうスキマからでちゃいました」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、あぐっ」
「さ、橙。時間がないわ。さっさと潜入を開始しちゃってね」
「?はい!橙がんばります!」
 元気よく意気込みを叫び、橙はトランシーバーの電源を切った。
 藍が絶叫の最後に殴り倒される声を一瞬上げたが、やっぱり気付かなかったらしい。
 トランシーバーと双眼鏡をどこぞにしまうと、とてとてと甲板に積もった雪に足跡を刻みながら橙は走っていく。
 どうやら橙には幸運なことに、甲板には見張りもいないようだ。
 それでも最近プレイした某潜入ゲームを真似して橙が壁に張り付く。その顔は真剣で、真面目で、本気だ。
 ただ残念なのは橙がちょっとおバカだった、といことだ。
 橙が張り付いた場所は、風除けのために甲板に立てられた壁だった。甲板の左右両脇に作られた壁だから、そこに甲板側から張り付いたところで甲板からは丸見えだ。いや、甲板じゃなくとも、戦艦の中からでも丸見えである。
 「張り付く」という行為は覚えても、その意味合いまでは理解できていなかったらしい。
 そのことに気付かないまま、壁に張り付いたまま、ずりずりのろのろと橙は移動する。敵から丸見えの場所なのだから急がないといけないのに、やっかいなことに今の橙は某伝説の傭兵気分だった。
 幸運にも橙は敵に見つかることなく、風除けが終わりエレベーターに到着する。
 車両や火器レベルの重量貨物も運搬可能な巨大なエレベーターだ。橙一人運ぶことなど、造作もないパワーがある。
 早速橙が乗り込むと、静かな振動を立てながらエレベーターは上昇を開始した。
 周囲への警戒勧告するために、けたたましいサイレンが鳴り響き、ランプが回転しながら光を撒き散らす。
「おー・・・」
 エレベーターの迫力に橙は思わず声を上げる。
「お」
 しばらく感嘆の声を上げていた橙はようやくあることに気付いた。
 吹雪が吹き荒れているのに、身に付けた防寒服を脱ぎだしたのだ。
 白い長袖の服の上に赤い袖なしの上着を着て、同じく赤を基調に白い線のはいったスカート。緑色のZUN帽の下からは茶色い短髪と、可愛らしい猫耳が顔を出す。スカートからは茶色い二本の尻尾が顔を出している。
 化け猫、橙。妖術を扱う程度の能力。藍の式神だ。



M G T




「は、ハックション!うう・・・寒い。脱いだけどやっぱり服着よう」

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